1型糖尿病では自己注射によるインスリンの補充療法によって血糖値の調整をしています。しかし、食事のたびに摂取する炭水化物量や歩行や運動などの活動量の他、いまだ原因が特定できない要因によっても血糖値は変動し、インスリンの適正量を決定して投与することは非常に困難です。インスリン投与量の不足や過剰によって体調や予後を悪くするだけでなく、時には重度の高血糖や低血糖といった命に関わり得る状況に至ることもあります。
本アプリは患者が食事をする際、インスリン投与量計算の負担を大幅に軽減し、1型糖尿病の方の食事をもっと楽しくすることを目標としています。食事管理機能を搭載している「カロミル」アプリを連携し、食事の炭水化物量をAIが割り出し、必要なインスリン投与量の参考値を瞬時に計算することが可能です。 また、インスリン投与量の管理や日々の体調を記録する機能も搭載し、診察時以外の患者の行動を把握することで医師の診療にも役立つことが期待されます。
導入の背景
1型糖尿病は、子供から青年までの若い世代で発症することが多い原因不明の病気です。食後に血糖値が上昇すると、通常は血液中のブドウ糖の量を一定に保つために必要なインスリンが膵臓から分泌され血糖値の調整が行われますが、1型糖尿病では、このインスリンが非常に少ないか全く分泌されないため高血糖になってしまいます。
1型糖尿病患者さんの血糖変動を抑える手段のひとつとして、摂取する炭水化物量や食前の血糖値に応じて注射するインスリン量を計算する「カーボカウント」という方法があります。カーボカウントの設定は、インスリンの一日投与量や患者さん個々のインスリンの効き目などをもとに主に医師が行いますが、この治療には専門性が求められる点、専門医でも予測不能な血糖変動を示すことがある点などの課題があります。また、患者さんは摂取する様々な食事の炭水化物量を把握した上で計算する必要があり、その負担に加えて、カーボカウントを行うがために食事の種類を制限している患者さんもいます。
主な機能
本アプリは、毎日の記録が手軽にできるだけでなく、画像解析AIと連携し食事・料理の写真から炭水化物量を算出することが可能です。
食前血糖値を確認し、食事の写真をスマートフォンで撮影すると、アプリが炭水化物量を算出し、個々のカーボカウント計算式に基づいてインスリン投与量の参考値を表示してくれます。
そのほか、食後2時間後の血糖値の記録機能他、研究のため体重などのPHRも記録できるようになっています。
実績
- 富山県ヘルスケア産業育成創出事業採択事業
- 国際医療福祉大学、富山大学、国立成育医療研究センター、国立国際医療研究センター、石川県立中央病院、福井大学医学部附属病院が本アプリを利用した臨床研究に参画