1型糖尿病の方が利用するスマートフォンアプリの開発を進めています。食事と血糖値を管理し、AIが適切なインスリン投与量を自動計算することを目指し研究開発を進めています。
1型糖尿病は、子供から青年までの若い世代で発症することが多い原因不明の病気です。食後に血糖値が上昇すると、通常は血液中のブドウ糖の量を一定に保つために必要なインスリンが膵臓から分泌され血糖値の調整が行われますが、1型糖尿病では、このインスリンが非常に少ないか全く分泌されないため高血糖になってしまいます。
そのため、1型糖尿病では自己注射によるインスリンの補充療法によって血糖値の調整をしています。しかし、食事のたびに摂取する炭水化物量や歩行や運動などの活動量の他、いまだ原因が特定できない要因によっても血糖値は変動し、インスリンの適正量を決定して投与することは非常に困難です。インスリン投与量の不足や過剰によって体調や予後を悪くするだけでなく、時には重度の高血糖や低血糖といった命に関わり得る状況に至ることもあります。
当アプリは患者が食事をする際、インスリン投与量計算の負担を大幅に軽減し、1型糖尿病の方の食事をもっと楽しくすることを目標としています。食事管理機能を搭載している「カロミル」アプリを連携し、食事の炭水化物量をAIが割り出し、必要なインスリン投与量の参考値を瞬時に計算することが可能です。
また、インスリン投与量の管理や日々の体調を記録する機能も搭載し、診察時以外の患者の行動を把握することで医師の診療にも役立つことが期待されます。
開発にあたり、富山県のふるさと納税を活用するクラウドファンディングに挑戦しました。2020年2月7日から3月13日までの約1か月間で、目標金額の1,000,000円を超えるご支援をいただくことができました。これまで弊社が培ってきたITの技術力を活かして少しでも患者の方の役に立てるべく、日々開発に取り組んでいます。