三重大学大学院医学系研究科 循環器・腎臓内科学(第一内科)様と共同で、心不全の予後管理、早期受診勧奨を行うアプリ「ハートサイン」を開発しました。
心不全は入院するたびに悪化すると言われており、現在では増加傾向にある疾患です。本アプリのサポートによるセルフマネジメントで、疾病予防・入院抑制・医療費抑制の効果を期待しています。
なお、この研究開発の一部は令和3年度三重県実証サポート補助事業「クリ“ミエ”イティブ」の補助により行われました。
本アプリ開発の背景は大きく2つあります。
1つ目は、今後10年間で「心不全パンデミック」とも呼ばれる、国内の新規心不全発症患者の急増が予想されていることです。
心不全は再入院を繰り返しながら、身体機能が悪化し死に至る疾患であり、慢性期の適切な再発予防プログラムが疾病管理の上でより重要です。
しかし、心不全の悪化を患者様自らで検知できる診断補助デバイスはなく、医療者側も患者様の状態把握が困難であるという課題が存在していました。
2つ目は、新型コロナウイルス感染症蔓延に伴い、遠隔診療を含めたデジタル医療の推進と整備に向けて一層注力すべき状況となったことです。
心不全を含め循環器病患者様の医療機関への受診控えから、細やかな管理が困難になり病状が増悪した状態で入院するケースが増えているだけでなく、感染症拡大期や災害時における非接触型の診療・診断ツールへの需要がより高まっています。
これらの課題を解決するため、三重大学大学院医学系研究科 循環器・腎臓内科学の医師たちが中心となり本アプリ開発を企画したことが始まりとなっています。
高齢者の利用を想定し、通常のアプリよりも視認性の高い文字配置、入力方法の工夫など UI/UX に力を入れた画面構成としました。
今回のプロジェクトでは、Android, iOS アプリケーションの開発に Visual Studio 2019 (Xamarin, C#) を用いて、弊社がこれまで培った技術を投入しました。
ネイティブアプリとWebアプリの技術的な組み合わせのハイブリッド構成、および、弊社協力会社ネットワークによる分業体制により多機能なアプリ・管理システムを構築しました。
またバックエンドシステムや API 開発には PHP のフレームワークとして Laravel を採用し、継続したメンテナンスおよび拡張可能な構成としています。