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長期記憶能力測定・改善アプリ『Statice』で特許を取得しました。

国立大学法人富山大学学術研究部工学系の田端俊英教授らの研究グループと共同開発したスマートフォンアプリ『Statice(スターチス)』において、運動によって長期記憶の定着を促進する「エピソード記憶能力改善装置」の特許(特許第7583773号)を取得しました。

本アプリは、画像や音声を使った記憶テストと有酸素運動を組み合わせることで、特に高齢者の記憶能力の維持・向上に貢献します。

特許内容ついての詳細は以下よりご覧いただけます。

特許情報プラットフォーム J-Plat Pat https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7583773/15/ja

■Staticeとは

長期記憶の一つであり、自身の体験に付随した時間や場所、感情等といった出来事(エピソード)と連動する「エピソード記憶」能力は、特に加齢による減衰が指摘されており、“生涯現役社会”の実現を目指す現代において、記憶力をはじめとする認知機能の減退を予防・改善することがその鍵を握っています。

『Statice』は、これまで実施が難しいとされていたエピソード記憶能力評価を、スマートフォンの使用によって遠隔で簡便に検査することを可能にしました。さらに、運動実施群と対象群による比較研究の結果により、ウェアラブル端末と組み合わせ、適度な有酸素運動量を指示し、記憶の定着を促進する機能を実装したアプリ使用群で、有酸素運動による、より一層の記憶力定着の有用性が期待できることが検証されました。これらの知見を活用した革新的な記憶力改善システムを実現しました。

■特許のポイント

1.二段階の記憶テスト方式

・「学習」:複数の画像や音声(第1情報群)を見て記憶する

・「試験」:学習から48時間以上経過後、元の情報を含む新たな画像や音声(第2情報群)を見て、以前見たものかどうかを判断する

2.有酸素運動による記憶定着の促進

・学習セッション後、ユーザーの年齢と心拍数に基づいて最適な有酸素運動を指示

・ウェアラブルデバイスで心拍数をモニタリングし、最適な運動強度を維持

・アプリを使用しない群には、脈拍が上がりすぎないことを促す機能を実装

3.最適な環境での学習

・ 騒音レベルや心拍数を検知し、集中に適した環境かどうかを判断(図2)

・最適でない環境の場合、環境を変えることを提案するシステム

4.効率的な記憶力トレーニング

・ユーザーの進捗を分析し、記憶能力の向上が限界に近づいた時点で次のステップに移行するよう指示

・視覚、聴覚など異なる感覚ごとに記憶能力を個別に評価・改善

■期待できる効果

この度特許取得した技術により、高齢者が記憶能力の低下を効果的に抑制できるだけでなく、記憶能力低下の兆候を鋭敏に検出することで若年者も早い段階から記憶力を維持・向上させるトレーニングが可能になります。超高齢社会が進展する中、認知機能の維持に貢献する革新的なソリューションとしての効果が期待できます。

■論文掲載先

Medicine October 27, 2023 – Volume 102 – Issue 43

https://journals.lww.com/md-journal/fulltext/2023/10270/assessment_of_memory_recognition_using_a.3.aspx

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